8. 「血分け問題」に重大証言

「血分け問題」に重大証言
韓国現地取材、統一協会最高幹部が激白「文鮮明教祖のウソ」

‘Friday’    1993.9.3        6-7頁


▲ ソウル市内の自宅の庭で取材に応じる劉氏


「文鮮明の言い分はすべてウソ。あの事件は全部、女の問題だった」

劉孝敏 (リュウヒョウミン) 氏 (72・写真中央) はジャーナリスト・萩原遼氏の前で手を大きく振りなら強 い口調でこう断言した。

劉氏は 1954 年に創立された統一教会の中で『36 家庭』と呼ばれる幹部集団の一員だ った人物だ。もちろん劉氏自身も最高幹部だったが 20 年前に脱会し、現在は銃器製造会 社を経営している。

劉氏が語気荒く語っているのは、いわゆる「血分け問題」についてだ。血分けとは教 祖である文氏がセックスを通して女性信者を救済する行為といわれ、最近では、俳優の 中村敦夫氏が、「統一教会には血分けと呼ばれるセックスの儀式が存在した」と発言、 これに対し、教会側が「事実無根」として告訴し、話題になった。

統一教会側は、「当教会には教義上にも実際にも血分けなるものは存在しない」と、 全面否定している。

そもそもこの「血分け」が世間の口にのぼるようになったのは、劉氏の言う「あの事 件」が契機になっている。1955 年 7 月、文教祖と梨花女子大生や主婦との間にいかが わしい噂が相次ぎ、文氏を始め劉氏ら幹部 6 人が「不法監禁」などの疑いで逮捕された。 3ヵ月の裁判の結果、文氏は無罪、劉氏には懲役 8 ヵ月の判決が下った。いわゆる「梨 花女子大事件」である。

この事件に関する統一教会側の見解は、「文鮮明師らは、兵役拒否と不法監禁嫌疑で 拘束されたが、裁判は兵役拒否で争われ、結局、文教祖は、この容疑でも無罪の判決が 下った。したがって血分けはなかった」(牧瀬学広報部長)とのこと。

これ以降、1976 年に「血分け」に関する文章を掲載した元教会員が実刑判決を受けた こと、1983 年にも同じく「血分け」を批判したジャーナリストが教会員に損害賠償の支 払いを命じられたことなどを例にあげ、「梨花女子大事件」の判例こそ「血分け」不在 を主張する教会側の強い論拠である……としている。

ところがである。その裁判で実刑判決をうけた劉氏自らが、冒頭のように文氏らの主 張に反する証言をしたのだ。劉氏の対応は初めのうちは「まだその時期ではない」と硬 かったが、徐々に重い□を開き、いくつかの重大な証言をした。

「人類の始祖のイブは、エデンの園でヘビとセックスして堕落した。だから、堕落した 人間の復帰も、セックスを通じて行わなければならないというのが統一教会の復帰原理 です。教会では、その行為を“性役事(ソンヨクサ)”と言っています」

と「血分け」についての当時の定義を説明。さらに、文氏が無罪になった件も、

「それは、当の女性たちやその夫から告訴がなかったからです。やむなく検察側は、徴 兵逃れのため年齢を偽った兵役法違反だけで起訴したのです。しかし、実際はすべて女 との問題ですよ」

録音テープが回っているのを了承した上で、元最高幹部は、こう明言した。また萩原 氏は、創立直後の会員で今はやはり脱会した作曲家の金徳振氏(80)からも、次のよう な血分け問題に関する証言を得た。「私は文鮮明氏に血分けされた女性と行為をすることによって、貴い血を受け継いだ。 以来、私自身、16 人の女性と血分けをしました。その女性がまた他の男性に血分けをす る。数えてみたら、全部で 72 人になった。性のリレーですよ」

統一教会の「血分け」否定の根拠とされる「梨花女子大事件」に関する劉氏らのこの証 言。当事者のものであるだけに、発言が投げかける波紋は大きい。


▲ 元最高幹部から反論された文鮮明教祖


Hyo-min Eu ‘Friday’ magazine article: Moon’s Gigantic White Lie