川瀬カヨと「天運教」

検証・統一協会 霊感商法の実態
山口 広 (著)

株式会社 緑風出版    1993年3月2引| 初汳第1刷発行
246~254頁


▲ 文鮮明と川瀬カヨ

一九八七年春、霊感商法に対する批判が高まった時、これに対抗するべくにわか仕立てでつくられたのが、「霊石愛好会」。この会の道場で高額の仏像や念珠を買わされたり、高額献金を強いられたという被害相談が相次いだ。霊石愛好会の悪評が定着し、宗教法人としての認可もされていないため税法上の特典もなかった。
そこで考え出されたのが、別個の宗教法人をつくって、金持ちの婦人から資金を集める手口だ。


▲ 上聖人祭 1988年2月27日 天地正教  新宿道場
.    Cleopas Kundiona クレオパス・クンディオナ


▲ 1988年2月27日 天地正教 クレオパス・クンディオナと統一教会員の弓


▲ 1987年11月 Cleopas Kundiona クレオパス・クンディオナ


▲ 1987年11月 神山威先は Cleopas Kundiona クレオパス・クンディオナに弓を下げます ナ


一九八九年二月、突如各地の霊石愛好会の道場の看板が「天地正教」にかえられた。
教祖は川瀬カヨ(八十歳)とされている。前述した北海道で統一協会の壺売りに貢献した霊能師だ。この川瀬は、「中和新聞」の伝道実績優良者としても登場する程熱心な統一協会の活動家だった。

▲ 天地正教のビラ


その娘新谷静子が、川瀬カヨの半生を本にまとめている。この新谷も、そしてカヨの息子川瀬勝治も熱心な統一協会の信者だった。
要するに、統一協会の別働隊が天地正教である。各地で天地正教のチラシが郵便受けに入る。主婦向けの人集め、金集めは、アジア平和婦人連合だけでは足りず、天地正教を使ってやろうということだ。
どんなことを教えているのか。「入門、円和諧(会)ノート」なる天地正教の小冊子の二頁、四頁を引用する。



▲ 霊能者 川瀬カヨ を語る

目次
第一章 おいたち          16
(1) 一度目の結婚          20
(2) 二度目の結婚          28
(3) 三度目の結婚          34
第二章 神への旅立ち   43
第三章 高麗大埋石壺との出合い              75
第四章川瀬先生に感紺する信徒の集い  103
第五章 多宝塔の天的価値                       123


天地正教とは、真の幸福への道を教える宗教であります。

(一)現実の世界
現代は科学が高度に発展し、生活環境がよくなりましたが、それにともなった幸福を私たちの心は感じているでしょうか。むしろ現代の社会においては、倫理道徳の衰退、家庭の崩壊など、社会的混乱が増大し、犯罪、不正、退廃がまんえんしています。また思想においても物質中心の考えが強く、心の問題が忘れ去られています。このような社会に生きる現代人としては、吉六の幸福つまり心の深みから湧きいずる喜びの人生を実現することが、非常に困難な状況です。

(二)幸福の源
それでは、人間は、どうすれば、真の幸福を得られるでしょうか。元来、人間の幸福には「慈愛」が不川欠な要素です。つまり慈愛は幸福の源であり、慈愛の豊かさがあってこそ、私たちは幸福感を味わうことができるのです。人間世界で、その慈愛の最も大いなるものは、無私なる、親の慈愛であることは、誰しも認めるところです。この親の慈愛の根本は、宇宙の究極なる根源者であります。この慈愛の根源者を「天」と呼びます。天地正教は、この慈愛の親である天を信奉し、天を中心に人生の問題、社会の問題を解決し、真の幸福を実現することをめずしています。

(三)天地正教の教え
天地正教の経典は、天から啓示として与えられた、「霊妙慈経」と「侍天護国経」を用います。
その教えは基本的に次の内容です。
1.天を無形なる根源者として、信仰します。天は神仏、神とも呼びます。
2.弥勒さまを、大の化身・天からの救い主として信仰します。
(化身一天加人問の形どなって現れ、民衆を救うこと、またその人竺
3.弥勒さまを末法の世の当来仏として、私たちと、この世をお救いくださる救い主であること
を信じます。
曾来仏一まさに来るべき仏)
4.弥勒さまの功徳によって、家庭浄土実現と、弥勒浄土実現を願います。
5.私たち人間は、死後右方界(あの世)で永遠に生きることを信じ、霊界も現世も天の正しい教えで幸福になることを願います。
6.先祖供養を尊重し、幸福な家庭、世界の平和、子孫の繁栄を願います。
7.弥勒浄土実現のため、あらゆる教派、宗派を越え、互いに弥勒さまの功徳を受け、協力し合うことを願います。

▲ 弥勒菩薩

▲ 文鮮明

結局、弥勒さま即ち文鮮明を救い主として信仰しなさいという、統一協会の主張に粉飾をこらしたものにすぎないのだ。
天地正教が「掲げて」いるという「三綱五行」を見ておどろく。三綱のひとつは「愛地」として「址(万物万象)を愛し浄上国を築く」とある。そして、五行のひとつ「報謝行」とはこんな内容。
「天地万物の恵みに感謝して、それに報いる真心と清浄な財物をささげる。国土・道場・地域・家庭環境を浄める奉仕をする」
その「報謝の意義と功徳」でこんなことを言っている。やや長いが二〇頁、二二頁を読んで欲しい。お判りだろうか。統一協会のいう、「物以下に堕落した人類は万物を通してしか神に近付けない」という「教義(?)」と一緒なのだ。

 

(四)報謝のすすめ (2)
報謝行の中で重要な行いの一つに「報謝」があります。

1.報謝の意義と功徳
(財物は神仏からの預かり物)
報謝とは、感謝と喜びの心を持って、天と弥勒さまの前に、自分の持てる物をささげることをいいます。
といいますのも、本来、私たちの財産や物は神仏から預かっているもので、自分の物ではないのです。神仏より預かって使わせていただいているのです。使わせていただく感謝をささげることは、当然ともいえることなのです。

(弥勒経典とさまざまな報謝)
弥勒経典には、「教団に食事を施し、僧房を建て、必要品を捧げて供養し、在家の戒めを守り、慈悲の心を修得する者」は弥勒慈尊に会える資格を有すると報謝の重要性を説いています。
また、報謝にはさまざまな報謝があります。恵みに対する感謝を表した報謝、お願いするときに行う報謝、懺悔の気持ちをささげる報謝など、さまざまな場面でささげられます。さまざまな気持ちを込めてささげられる報謝は、天と弥勒さまによって弥勒浄土建設に向けられます。

▲ 川瀬カヨと多宝塔

生産工芸品である大理石の多宝塔を生産する工場に訪れる文鮮明。多宝塔は日本で非常に高い価格で売られた。



▲ 多宝塔は、法華経のなかで説かれている仏塔の一つです。キリスト教をよそおった統一協会が仏教の多宝塔を売りつける―ここにも「宗教」を道具に使う、この集団の姿が浮きぼりにされています。

写真は、京都・宮津市の日蓮宗・正音寺の多宝塔。この塔は、統一協会系企業( ハッピーワールド、幸世建設、韓国・一信石材)が関与して、韓国・仏国寺の多宝塔を複製して一九八四年に建設されたものです。最近になって、霊感商法推進のために、多宝塔を購入した被害者を招待して「正音寺ツアー」をおこなっていることが明らかになっています。


▲ 韓国・仏国寺の多宝塔


(先祖供養と幸福への道)
さらに、報謝は布教とならび最高の先祖供養をすることができます。過去の悪行や罪過を、報謝することによって憤うことができるからです。悪行や罪迦の原囚は、我欲や執着心といった自分中心の心遣いにあるからです。したがって、人間を不幸に引っ張っていく我欲や執着心を、自分の財産や物をささげるという全く逆の心遣いをすることによって、捨て去ることができます。報謝は先祖を供養するとともに、魔の作用による不幸を防止し、私たちをして幸福への早道を歩ませてくれるのです。
そして、行善積徳となり、神仏との善なる因縁を結ぶことができます。また、言ってみれば報謝は天に保険を積むことであり、弥勒さまにお会いできる功労(条件・資格)を積みあげていくことができるのです。
この「教義」の延長上に「先祖の因縁を解放するため、すべての財物を天つまり文鮮明にささけなさい」という霊感商法の脅し文句があるのだ。

文鮮明の写真がある。これは、文が天地正教の活動を指示して、その関係書類に署名をする時のものだ。机上にはユニバーサルーバレエのパンフレットもおかれている。
一九九〇年五月十五日には「北海道十勝の霊峰、剣山の麓で、第三回浄火祈願祭」が二七〇〇名の参拝者で開かれた。天台宗大僧正幹覚盛、武部勤衆議院議員秘書梶川健、中川昭一衆議院議員百民)の妻、福岡県議吉村六秀ほか五つの総支部の各顧問弁護上が集まったという。
一九九〇年十二月に三二回目の訪韓弥勒ツアーもあった。

一九九一年五月十二日には、千草県浦安市の東京ベイNKホールで信徒七〇〇〇人を集めて「弥勒浄土実現、春の大祭」をした。「おさとし」の中で「川瀬カヨ教主」は「みろく様」の「お告げ」を話した。川瀬勝治宗務部長の「弥勒の郷建設構想」の話、比叡山延暦寺西塔金光院住職・幹覚盛師(天台宗大僧仁の祝辞もあった。
数あるパンフレットを見ると、あいもかわらず「天的人格を成した聖い人間を象徴」するものとして例の大理石の壺や丸い石が出ている。多宝塔も祭壇に登場する。


よほど気をつけないと、どこかの貪庫にねむっている返品された壺や多宝塔がまた法外な値で消費者の自宅の押入れに隠されることになりかねない。
この天地正教でも、献金強制の厳しいノルマが課されている。
一九九二年一月には「金日成が今年四月に死ぬ。それまでに一五〇億円を天地正教で集めるように」との「摂理」(文鮮明の指示)があった。金日成が死ななかったので、「死ぬ」とは力を失うことだとつじつまあわせの説明がなされたという。
天地正教で活動している「信者」の中には、既にメシアは文鮮明であると知らされ、そう信じつつ大地正教を支えるのが使命と言われて活動している人が多い。そのような人が内部をきりもりしている。しかし、資料Bの如きビラを見て、素朴に救いを求め、仏教的な「霊妙慈経」なるお経を唱えている人も末端にはかなりいる。
いずれにしても、献金を繰り返し迫られるので、救いどころか、出せる金は全て出してしまってあとは借金して提供するしかないという悲惨な信者が多いようだ。

▲ 教主さま 御昇天。地上でのすべての使命果たし、浄土ヘ御帰還される


川瀬カヨ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2014/12/14 04:32 UTC 版)
川瀬 カヨ (かわせ かよ、1910年?6月15日? – 1994年2月4日) は、北海道十勝国中士幌出身の新興宗教家。「天運教」を設立し、教主として活動していた中で、「統一教会」(統一協会)の教えを受け入れ、「天運教」を「統一教会」(統一協会)へ導くための教団、「天地正教」に変えて、初代教主として活動した。



▲ この1988年に撮影された写真では、文鮮明と韓鶴子の間にクレオパス・クンディオナという青年が立っている。彼らはクレオパス・クンディオナを車の事故で1984年1月に死去した息子・文興進の生まれ変わりだと信じていた。


『死んだ息子(興進)の憑依多くはアフリカで報告されていた。一九八七年、郭錠煥師は興進の霊がジンバブエ人の身体にとりつき、彼を通して語っているという報告を調査にいった。「イーストガーデン」に帰った郭師は、憑依は本物だと宣言した。私たちは全員朝食の食卓のまわりに集まり、彼の印象を聞いた』

『文師はアフリカからの知らせに興奮した。・・・死んだ自分の子の霊にとりつかれていると主張する男と会いもしないうちから、文鮮明は「ブラック興進」に世界を旅して説教し、道に迷った統一教会員のコンフェッション(告白式)をすることを許した。』

『文師夫妻は、われわれ子供だけで「ブラック興進」と会い、私たちの印象を報告するように言った。それは愉快な出会いだった。顕進、国進、孝進は赤の他人に自分たちの子供時代について質問をした。彼はそのどれにも答えられなかった。』

『文教祖は「ブラック興進」の殴打について、「イーストガーデン」まで聞こえてくる報告を楽しんでいたように見える。だれか嫌いな人間がとくにひどく殴られると、げらげらと笑った。』
(洪蘭淑著「わが父文鮮明の正体」p192-194)



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